「禅寺の和泥水(和泥合水)地蔵尊」 (YouTube 動画)
滋賀県東近江市にある禅寺「臨済宗永源寺派大本山永源寺」の和泥水(和泥合水)地蔵尊と山水の清らかな音です。
永源寺は紅葉スポットとしても有名で、秋には多くの参拝客でにぎわいます。
和泥水(地蔵尊)について、掲示されていた文面を以下に転載いたします。
和泥水(和泥合水)と申しますは道元禅師のお言葉で「泥まみれになって尽くす」と言う意味であります。
善悪の別け隔てなく、一切衆生を漏れなく救済せんとされる、仏様の尊い慈悲の御業(みわざ)を表すお言葉で御座居ます。
此處(このところ)にお祀りいたします地蔵菩薩は、弥勒仏来迎(みろくぶつらいごう)までの長き濁世(じょくせ)を見守り、六道至るところに衆生済度に向かわれます。
擦り切れた衣を纏(まと)うて、蓮華(れんげ)の台(うてな)にも休まれず、行脚(あんぎゃ)されるお姿は、正(まさ)しく和泥合水(わでいがっすい)の菩薩行であります。
つまり、和泥合水とは、「わが身を顧みずに、全力で他人を救うこと。」ですね。
なお、流れているのは泥水ではなく、清らかな山水で、柄杓(ひしゃく)が置かれていますが、
「この水は山水ですから飲まないでください。(消毒をしていません。)」と書かれていました。
なお、永源寺の境内は、参拝志納料が必要(大人500円。中学生以下無料。)ですが、和泥水(地蔵尊)は、境内ではないので無料で見物できます。
道元禅師
道元(道元禅師)は、鎌倉時代初期の禅僧で、曹洞宗(そうとうしゅう)の開祖です。禅思想の書「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」を記しました。
禅宗の特徴は、座禅をして瞑想することによって悟りを開こうとすることでした。
経典を学んで知識を得ること以上に自らの心に向き合うことが大事ということです。
そして、師から弟子に仏の教えを伝え受け継ぐことが重視されました。
ところが、言葉というより坐禅などの体験を通じて感覚的に弟子たちに受け継がれる間に、色々な宗派が生まれていきます。
臨済宗は、特に、師弟の問答を重視する宗派です。京都の建仁寺、南禅寺、大徳寺、天龍寺、妙心寺や、鎌倉の建長寺、円覚寺が有名です。
曹洞宗は、特に、座禅を重視する宗派です。永平寺(福井県)や、總持寺(神奈川県)が有名です。
臨済宗は幕府の保護を受け、主に上流武士の間で広まり、曹洞宗は権力を嫌い、地方の一般人にも広まっていきました。
なお、江戸時代中期の臨済宗の禅僧である白隠(はくいん)は、禅画(禅の教えを表した絵)をたくさん描きました。
ちなみに、現代では、アメリカで「マインドフルネス(mindfulness)」という禅をヒントにして瞑想によって自分自身の気持ちをコントロールする方法が流行しているようです。
アップルのスティーブ・ジョブズは禅に傾倒していましたし、グーグルなどの有名企業がマインドフルネストレーニングを導入しています。
坐禅を組んで瞑想しながら集中力を高めて勉強や仕事に生かしたり、リラックスしてストレスを減らしたり、などが期待されているようです。
実践!マインドフルネス: 今この瞬間に気づき青空を感じるレッスン